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2008年02月23日22:21
「R-1ぐらんぷり」で明暗を分けたものとは?
なだぎ武が2連覇を達成!
ピン芸人日本一を決める『R-1ぐらんぷり 2008』の決勝が17日(日)、関西テレビ・フジテレビ系列の全国ネットで放送された。過去最高となる2731人がエントリーした今大会で、史上初の2連覇を達成したのは、なだぎ武(ザ・プラン9)。なだぎは、結果が発表されるや緊張の糸が切れたかのように泣き崩れ、言葉を詰まらせた。2位に敗れた芋洗坂係長との得点差は、わずか2点だった。
この『R-1ぐらんぷり』、タイトルの「R」はもともと落語を指していたが、大会規定によれば、落語に限らず「とにかく面白い1人話芸」を披露するのがルールとなっている。そのため、ネタのバリエーションは多種多様。フリップネタ、モノボケ、キャラネタ、あるあるネタ、ショートコント、漫談といった具合に、「スタイルの見本市」としても楽しめるところがこの大会の醍醐味(だいごみ)だ。決勝戦では、各々が4分以内でネタを披露する。2008年はどんな顔ぶれがそろったのだろうか。
時代を象徴する豪華ラインナップ
『北の国から』の黒板五郎(田中邦衛)に扮(ふん)し、子ども番組風にフリップネタを披露したのはCOWCOW山田よし。歌を歌いながらフリップをめくっていき、『北の国から』にまつわる「あるあるネタ」を展開した。
世界のナベアツは、三谷幸喜が朝日新聞のコラムで絶賛した「3の倍数と3がつく数字のときだけアホになる」ネタで参戦。優勝候補として前評判も高かったが、結果は惜しくも3位。今回のようなコンテストで不利だったのは、同じネタをすでにたくさんの番組で見せていたこと。『R-1』ではそれを逆手にとって、アレンジバージョンを披露したのだが、オリジナルネタを超えるほどのインパクトを残すことができなかった。
フレーズが書かれたフリップをめくりながら、その対義語を教えるというネタを披露したのは中山功太。「ダメージジーンズ」→「無敵スパッツ」、「ゲレンデがとけるほど恋したい」→「海干からびるほど離婚したい」など、ラジオのハガキ職人的な抜群の言語センスが光っていたが、審査員のダンカンからは、「アホになるネタをやったナベアツの後では、真面目に見えてしまう」というコメントも。
なだぎ武は、学生が文化祭の出し物を考えるというネタ。初代ファミコンのツーコン(マイク付きコントローラー)で歌を歌ったり、教育テレビで野村萬斎が広めた狂言「ややこしや」のパロディーをやったりと、4分の持ち時間をフルに使って観客を楽しませた。
鳥居みゆきは、白いパジャマ姿でハチャメチャな歌と踊りを織り交ぜる「マサコの妄想夢芝居」を披露。狂気を帯びた人形劇や紙芝居、ショートコントをアグレッシブに熱演した鳥居は、ネットで火が付き、テレビの笑いの幅を広げたニューカマー。生放送で何が飛び出すか分からないという独特の緊張感もあり、今大会の見どころの一つだった。
あべこうじは、「ウザい男」になりきっての漫談。好きな女の子が鼻毛を出していたときのことを想像して夜も眠れないという話を延々4分続けた。審査員の月亭八方は、「鼻毛だけで4分話すのはすごい」と絶賛したが、得点には結びつかなかった。
芋洗坂係長は、もともとお笑いコンビ「テンション」で活動していた舞台俳優。ほとんどテレビ露出がないまま、ダークホースのピン芸人として登場した。ネタは、サラリーマンの宴会芸を演じるというメタコント(注1)。『ジンギスカン』や『ボラーレ!』の替え歌が、いかにもサラリーマンが作りそうなものになっていて、本物の素人が飛び出してきたような面白さがあった。
土肥ポン太は、フリーマーケットを題材にしたモノボケコント(注2)。バケツや縦笛、ハート型のクッションなどを使ったモノボケをストーリー仕立てにして展開した。
今大会で見えてきた課題
今年の『R-1ぐらんぷり』は、全体を通して、大会規定の4分という尺を長く感じた人も多かったのではないだろうか。というのも、2007年『爆笑レッドカーペット』が登場して以降、テレビでは1〜2分で完結するショートスタイルのお笑いが主流になっているためだ。今回のラインナップを見ても、それぞれが短いネタを複数組み合わせていたことに気がつく。
なだぎ、芋洗坂、ナベアツ、鳥居、山田、中山のネタは、エッセンスだけを凝縮すれば1分のスタイルでも十分に通用するものだった。4分である必然性に乏しく、大会用に無理矢理引き伸ばした感が否めない。番組としてのパッケージを考えれば、芸人に一番面白い部分だけを演じさせて、次から次へと交代させる『レッドカーペット』のほうが確実に時代にマッチしているといえるだろう(実際、放送時間が違うとはいえ、『R-1』と『レッドカーペット』は同日に放送され、視聴率は関東地区でそれぞれ8.3%、19.4%だった)。
「レッドカーペット」とは名ばかりで、実はその機能に目を向ければ大量生産・大量消費を象徴する「ベルトコンベア」になっているというのが皮肉だが、そんな『爆笑レッドカーペット』の短いネタをベルトコンベアでつないでいくという編集能力の高さこそが、いま芸人にとって最も険しい障壁となっている。つまり、芸人が長いネタを披露しようとすれば、自らの力で「ベルトコンベア」に相当する仕掛けを用意する必要がある。例えるなら、ネタが1〜2分の『レッドカーペット』では、いい野菜を作りさえすればいいのに、4分の『R-1』になると、いい野菜を作ったうえに、切って炒めて盛りつけて、後片付けまでしなければならない。そのハードルの高さは推して知るべしだ。
『R-1ぐらんぷり』の決勝に残った面々は、素材が抜群に優れていることは既に実証済み。あとはその素材をどのように料理するかという編集力の勝負になってくる。今回、なだぎや芋洗坂が編集者としても優秀だったのは、こまぎれの笑いをつなぐための接着剤として、「文化祭の出し物を考える学生」、「サラリーマンの余興」といったテーマを持たせたことである。2人に共通するのは「メタな視点」。自分の一番面白い部分を客観的に編集して、分かりやすい形で提供していたこの2人が1位・2位の座に輝いたのは、決して偶然ではないはずだ。
しかし、欲望に際限のない視聴者は、さらにハイレベルなものを求める。『レッドカーペット』の「ベルトコンベア」を超えるような編集能力を持った芸人が、来年の『R-1ぐらんぷり』から誕生することを期待したい。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080223-00000027-nkbp_tren-ent
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http://gazz.221616.com/user-42AB37D669821CC977951A8AE9D63C12/blog/entry-68456/
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